寝取られバンドマン目線 [untsuku] 壁一枚 続 (ゼロス #123)

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copyright 2024 ワニマガジン untsuku

タイトル壁一枚 続
作者untsuku
掲載誌ゼロス #123
ページ数30
ヒロイン安達柊奈
竿役古河晶斗
発射数1
公式タグギャル / 恋愛 / 潮吹き / 貧乳・微乳 / 金髪・茶髪 / 陰毛
修正白抜き修正

本日はゼロスから、untsuku先生の続編をご紹介したい。ゼロスは扉絵と別にカラーピンナップがつくことが多いのだが、扉絵自体がカラーなのは珍しい。

前作はこちら: 当て馬バンドマン目線 [untsuku] 壁一枚 (X-EROS #104)

第9波

前作は本来であれば配信落ちなのだが、再配信されているとのことでぜひお読みいただきたい。レビューでも書かせていただいたが、本作がこのようにトリッキーなテレHという形になっているのは返す返すも「コロナ禍」の影響である。顔が命の男性向けエロ漫画でなくてもマスク必須というのは厳しい。こうして後で見返してみれば、エロ漫画世界にパンデミックなど無かったように思える。しかし前作の実際の配信時期は2023年9月。当初から数えて「第9波」と言われるピーク(下のグラフの一番右)がさしかかっていた時期だった。2023年5月(GW開け)に保健所届け出必要な2型感染症から5型に変更になって現在2年しか経っていないのだが、もう感染症を理由にイベントや人流を抑制する話は全く聞こえてこない。前作を読み返してみてもそのような空気は感じられないのだが、人との対面での接触が憚られた時期があったからこそ生まれた作品であろうとは今も思う。結果として本作は「本番なし」どころか握手以上の身体接触が無い男性向けエロ漫画としては異色作であった。コロナの話は今も無くなったわけではなく感染症としての戦いは続いていくのだろうが、一つの節目としてこうした再会を祝いたいと思う。

その後のふたり

本作冒頭に出てくる「しろくろ」こと「しろくろブルース」は、前作で二人を近づけたそれぞれ思い入れのあるバンドだ。一貫して「しろくろブルース」の正体は明かされない。冒頭のライブシーンは「しろくろ」ではなく、本作ヒロイン安達柊奈さんがギターを務めるバンドのライブ風景だ。引っ越し当初の竿役古河晶斗くんが「いかつい見た目」「明らかに普通の人じゃ…」と言っていた柊奈さんを「かっこいい」とノロける。実は二人は未だに壁越しに通話するだけの仲で進展していなかったのだ。ちなみに出会いからテレHまでが一ヶ月(前作)、テレHから本作冒頭までが二ヶ月というタイムスパンである。

クーデレバンドマン目線

柊奈さんは少なくともエロ漫画平均では高い貞操観念を持っており、隣の男との壁越し電話越しのHを後悔していた。一方で古河に好意も寄せており、それっきりになってしまっている事に思うところあり身体を持て余していた。古河としても下心が無いわけでは無く、ライブチケットという餌を用意してデートに誘うも運悪く柊奈さんの予定が合わない。一歩前進一歩後退な状況だが柊奈さんは気を良くして赤提灯でバイトに精を出していた。そこに飛び込んだ、8ページ、スーツ姿の女連れで飲みに来た古河。お互い逃げられない。4人がけのテーブルで古河の横に座る「花梨」という女は、一話で明かされていない「晶斗」と古河を名前呼びした上に、自分が誘われるはずだったライブイベントの感想を語っていた。クールキャラの定め。柊奈は泣くこともできず帰路につく。しかしアパートの前でなぜか氷室と取っ組み合っている古河に遭遇し、古河ごと彼の家の玄関に押し倒した。バンドメンバーである氷室の不始末、花梨という女、そして引っ越し荷造りを始めている古河。思考が追いつかないなか、「さよなら」を言わなくてはと言葉を紡ぎ出す。その気配を察し古河が柊奈を強く抱き寄せる。「あの人(花梨)は会社の先輩」「ずっと相談に乗ってもらってたんだ…安達さんの事で」若干言い訳臭くもあり、氷室を家に連れ込んでいることに対する当てこすりにも聞こえる。だからこそ柊奈も強く言えない。一方で真実とはいえ苦しい現場を目撃された古河としてはもうここで後へ退けない。「…分からない…」を連呼する柊奈に強引に寄って身体を重ねる。23ページ、出会いから51ページ目にしての本番はエロ漫画としては万感の思いの交合だ。直結したクーデレ柊奈さんはようやく率直な思いの丈を古河に伝える。前回語ったようにテレHはどうしてもエロいことを連呼しないといけないが、繋がった二人から語られるのはむき出しの愛そのものだった。書くのも照れるのでぜひ本作を読んでいただきたい。事後、二人は同棲することになるのだが、そもそも古河がなんで引っ越すハメになったかは語られない。まあ結果オーライなのだろう。

しかし話はこれで終わらせない。

寝取られバンドマン目線

当ブログでは一貫して「当て馬バンドマン」こと氷室くんを推してきた。前作では名前が明かされておらず「宅飲みするって言ってた人」呼ばわりされていた彼である。氷室くんは好きでも無いバンド女に恋愛相談された上に、隣の男に意味も無く男好きをアウティングされてしまうという不遇な男である。しかもトイレを我慢してまでベッドでオナる柊奈さんを知らんぷりしてあげた聖人だ。前作時点でも古河くんに一目ぼれした可能性もゼロではないと私は書かせていただいた。本作ではここに進展がある。11ページの取っ組み合いの前段として29ページに回想がある。「俺も狙ってんだ」「ヒナのこと」「あんまうだうだしてんなら俺がもらってくけど」、そして11ページで「ハンパな事してんじゃねぇぞ!」という怒声がここでの氷室の発言の全てだ。ストーリー的にはゲイである氷室が古河に覚悟を決めさせるために一芝居打ったと考えるところである。しかし私は第一声「俺も狙ってんだ」を見た時点で声が出た。この台詞を私の氷室目線を付け加えて読むとこうなる「俺もお前(古河)のこと狙ってんだ! ヒナのことを付き合うでも無く中途半端にして、あんまうだうだしてんなら俺がお前をもらってくけど」。目の前の男へ、不器用だが純真な告白である。じっと古河を見つめる氷室。古河が応える「安達さんがそれを望むなら…全力で応援しますけど…」、これも柊奈さんが「古河x氷室」を望むなら、とも読める(リバは認めないぞ)。「…僕個人としては…」いよいよ確信に迫るところで氷室もまた固唾をのむ。「渡すつもりはありません」、あーー、これは擁護できない。氷室君は振られた。二ヶ月の間、本作で描かれこそしないものの氷室くんにはそれなりの勝算があったのかもしれない。古河が柊奈と付き合わないのもワンチャンあるかもしれない。その期待が砕かれたからこそ11ページ、「(俺に期待させる)ハンパな事してんじゃねぇぞ!」という取っ組み合いが始まったと考えるとこれは前フリでは無く本作のクライマックスなのだ。11ページ右下を見ていただきたい。柊奈さんに押さえられる氷室くんの唇は古河まであと5cm。あわてた柊奈さんが割って入って古河を押し倒すのも無理は無い。前回に引き続き、哀れ氷室くんは古河がバンドの女に寝取られるのを壁一枚外側で聞いているしかできないのだ。

前作は最後の台詞で「やっぱ忘れなくていいスから…」と後の展開を匂わせ、1年越しで壁を越えてきた。本作最後の台詞は、幸せそうな古河を見る氷室の「俺も早く彼氏つくろ…」だった。さすがにゼロスとはいえ氷室くんの恋物語を載せてはくれないと思うが、心の中では氷室くんに春が来ることを祈っておきたい。あと花梨さんも結構グイグイきていたので裏で凹んでいるかもしれない。氷室くんにその気があるならバンギャ負けヒロインもいいかもしれない。

前作からの人物紹介(本誌引用)

安達柊奈: インディーズロックバンドのギタリスト。ホラー映画を見ていたところ怖くなり、隣に住む古河に通話で助けを求める。氷室のアドバイスもあり、気分を紛らわすためにエロいことをしようと持ち掛け、ビデオ通話で相互オナニーをしてしまった。それ以降、古河との仲が深まったようにも見えたが…?

古河: 柊奈の部屋の「お隣さん」。第一印象は最悪だったが、共通のバンドのファンということが判明し意気投合。柊奈と氷室が付き合っていると誤解していた。柊奈とは、深夜に壁越しに音楽の話をする関係が続いている。

氷室: 柊奈と同じバンドのメンバー。よく柊奈の恋愛相談に乗っている。実は、恋愛対象は男。

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