copyright 2025 ワニマガジン 雲呑めお
タイトル | ほろ宵いと夏のせい~moonrise~ |
作者 | 雲呑めお |
掲載誌 | 快楽天 2025.09 |
ページ数 | 28 |
ヒロイン | 光空 |
竿役 | 海斗 |
発射数 | 1 |
公式タグ | フェラ / パイパン / 三つ編み / 中出し / キャバ嬢・風俗嬢 / 巨乳 / 水着 / 潮吹き / 野外・露出 |
修正 | 白抜き修正 |
7月が終わる。夏本番を告げる快楽天から、限りなく夏らしい雲呑めお先生の作品をご紹介する。他の作品レビューの中で「はじめて読むエロ漫画としてはオススメ出来ない」という表現をたまに差し挟むが、この逆を言ったことが無いと気付いた。本作はこの夏はじめてエロ漫画に挑戦するという善男善女の方にも先達として自信を持ってオススメできる一作である。
船を乗り継いで6時間
本作の舞台は「船を乗り継いで本土から6時間 観光地としてはそこそこ有名な小さな島」とある。まずこれがどこなのか考えてみたい。以前ご紹介した小亀ふつ先生「奥さんを開発しよう!」も離島での出会いを描いた作品だが、こちらは作中で雪が降っており北海道北西部の天売島と結論づけた。本作は明らかにビーチリゾートなので南の島限定とする。「船を乗り継ぐ」という情報から直感的には「小笠原諸島」「奄美諸島」「沖縄諸島」あたりを想像する。しかし実のところこれらの島に本土から行こうと思うと乗り継ぎ以前に6時間では全然足らない。東京竹芝桟橋から八丈島までは片道で10時間、小笠原諸島へは24時間かかる。奄美大島へも本土で最も近い鹿児島から片道11時間、沖縄本島へも25時間かかる。これらよりは近い伊豆大島でも本土から6時間かかるのだが、この航路には「ジェット船」というものが就航している。水中に翼があり航行中は車体が海面から浮くためスピードが出せる。なんとボーイング社の設計で、型番で言うとボーイング929である。これだと伊豆大島まで2時間かからない。そして伊豆大島から新島や神津島へ行くというルートだと6時間以内で考えられるが、これらは本土から直行便がありわざわざ乗り継ぐ必要が無い。ちなみに昨年7月に機材トラブルで漂流してしまい伊豆大島まで曳航されたのは記憶に新しい。ジェット船はこのほかに五島列島・種子島へも就航しているが、種子島からは乗り継ぎ先が無い。壱岐島経由で対馬も6時間の条件を満たすが直行便がある。五島列島で福江島または中通島から別の島というルートはありそうではあるが、「観光地としてそこそこ有名」の条件を満たすだろうか。この問いへの私の解答は次稿にてご紹介する。

リゾートバイト
本作のヒロイン、光空さんが夜風に当たりながら立ち入り禁止の桟橋をそぞろ歩いて海に落ちそうになっていたのを竿役の海斗が助けようとした(結局二人とも海には落ちた)のが出逢いである。海斗は島の人で夜な夜な釣りに出ているが本職は不明だ。対して光空さんは「リゾバ」ことリゾートバイトでこの島に滞在している。「リゾバ キャバクラ」でいくつか探した結果、体入ショコラなどいくつかの求人サイトが見つかった(歌で有名なバニラは風俗専門)。島がどこにあるか上で色々書いてみたが、結論から言うとキャバクラのリゾートバイトで紹介がある島は沖縄本島を除けば「宮古島」「石垣島」の2つしか無い。そりゃそうである。わざわざ島外から水商売の女の子をかき集めるだけの需要がある島など限られているし、それだけの集客力がある島には空港ぐらいある。ちなみに東京から那覇まで飛行機で3時間、那覇から宮古島まで1時間程度なので、船と呼ぶかはともかく乗り継ぎトータル6時間というのも頷ける。ちなみに石垣島・宮古島への定期旅客船は存在しない。さらに冒頭1ページの島の俯瞰をよく見ると、手前に灯台らしきもの、左遠景に橋が見える。石垣島には隣島に繋がる橋が無いため、本作の舞台は宮古島、そしてこの灯台は平安名埼灯台(CV: 佐々木望)だと思われる。宮古島の平良市街地には歓楽街が形成されており、飲み屋だけで無くキャバクラも複数存在している。
少女のように、娼婦のように
光空さんは夜職のおねえさんだ。にもかかわらず仕事終わりに黒髪の三つ編み、無防備な白いサマードレスにサンダルという「スキだらけ」構成だ。ぶっちゃけ竿役海斗の褐色短髪筋肉質タンクトップのほうが色気ムンムンである。キャバクラという強者男性の狩り場には似合わないかもしれないが、この無防備な感じがガチ恋勢をぐんぐん惹き付けそうな魔性を感じる。実際よく見れば見るほどボディラインも髪も一部のスキも無く整っている。5ページ、海斗が助けた光空を評する。「見慣れない顔 泳ぎづらそうな派手な水着 かと言って観光の雰囲気でもなく…」スケベさを微塵も感じさせない潔癖男性目線に驚かされる。対する光空もまた微塵も照れること無くお礼のチュー。エロさを超越した幼稚園児のような距離感にまた驚かされる。そして6ページ、ここで彼女が夜の蝶であると明かされる。ただのビッチでも、無知お嬢様でも無い。この身体を自らの意志と才覚で使っている大人の奔放な女性、めまぐるしく変わる光空の印象に海斗も読者も振り回されるが、一致した見解として「この娘のためになんとかしてあげたい」と思わせる魅力が彼女にはある。7ページ、目を輝かせての「行くっ!」でオチない男など居るわけが無いのだ。次のページをめくらずにいられない。もうここまでで本作は勝ち確である。

18歳以上の方は見ちゃダメ?
8ページ、めお先生はさらにギアを上げてくる。「観光客は知らないような良いとこ」に船で案内するという普通にどちゃくそエロいシチュエーションだ。繰り返すがこの竿役の色気も半端ない。「南の島にボートで褐色青年海斗に誘われる」目線でも女性向けエロが成立すると断言出来る。しかし本作はこのシチュから普通に超健全なマリンデートが描かれる。透明度の高い海でのシュノーケリング。キャバ嬢が水着姿で筒状のモノを咥えるシーンであるにもかかわらず、ただただ尊い。名前を教えたのに「あんた」呼ばわりされることに少しムッとしつつも顔に出さない尊さ。一昨日逢ったばかりなのに、二人で素潜りし、ビーチで自然と光空の手を導く海斗。極めつけがエロ漫画の吹き出しを彩るファンシーな磯の生き物たち。果たして18歳以上の男が本当に読んでもいいのか、たじろぐほどのりなちゃワールドである。そして10ページ、ボートに積んできたのか、サトウキビ畑のような畦道を海に向かって自転車で二人乗り。全人類の夢がここにある。ここは青春である。天国に一番近い島である。ちなみにこの間に交わされたヒロインの会話を抜粋すると「リゾバの寮にめっちゃ虫出て相部屋の人が無愛想でイビキやばくて寝不足」である。なるほど、天国に近いとは同時に死活問題でもあるのだ。
オーシャンビュー背面駅弁
11ページ、ここで距離がぐっとエロに近づく。前述の通りシチュエーションがあまりにもエロすぎるにもかかわらず唐突にスーパー海物語を見せつけられた我々からするとエロという妄想に引き戻された感じがする。13ページ、童貞で無いと断言する海斗に「ねえ島の人ってさ 初体験はビーチで…だったりする?」と聞き返す光空。ねぇよと最後の抵抗をする海斗に、光空の口から「こんな好条件揃ってんのに」とトドメが刺される。ビーチサイドで始まる一夏の愛。楝蛙先生「夏のいとなみ」、アサオミ志群先生「スーベニアガール」、どちらも男性向けエロ漫画の王道を征く名作だ。前者は「都会から来た黒ギャル押しかけバイトが店長に迫る」、後者は「都会から来た男が民宿のお姉さんに惚れる」話である。本作はある意味でこの掛け算なのだが、「ヒロインを夜職、竿役を褐色」にすることでこんな化学反応が起きるとは思ってもみなかった。手のかかる妹と頼れる兄ちゃんのようなノリで始まった本作は、後半おねショタ的な淫靡さを醸し出してくる。海の見える岩陰で初めて見せる互いの秘所。経験豊富な光空さんがリードして始まるが、海斗くんもやられっぱなしでは無い。21ページ、「やっと名前で呼んでくれたじゃん…」と可愛いことを言う光空。そして23ページからの海斗の口塞ぎ、からの立ちバックガン突き。そして極めつけ、オーシャンビュー背面駅弁からの中出しでキマる。
宵いはもうすぐ
先行して掲載・配信された「ほろ宵いと夏のせい ~seaside~」(快楽天 2025.05)は本作後半のダイジェストのようである。水着は同じで、シチュエーションもトークも本作をなぞっている。しかし部分的に会話が違うし、フィニッシュの体位が裏表逆である。こちらでは二人の関係性がはっきりしていなかったので、改めて読むと実用性も抜群である。

事後、海斗は自分の家を教えていたらしい。光空は「お店の寮嫌になったから」という理由で海斗の家に転がり込むことを決めた。そして本作が続くことが提示され「完結編」は11月号掲載予定とある。来月10月号の予告には入っていないため、前後編+カラーという構成でもう次が完結編となる。シリーズタイトル「ほろ宵いと夏のせい」は「ほろ酔い」ではない。宵とは日暮れ直後の夜の始まりを指す。本作の時間軸は深夜(夜からさらに時間経過) -> 昼前 -> 深夜(「こんな時間」)で未だ「宵」が無い。サブタイトルが「seaside」「moonrise」と来ているので、次が二人の別れを示唆する夕暮れ「sunset」そして宵闇というのが自然に見える。もちろんただのキャバ嬢との一夏の思い出など期待していない。どのような展開が二人に待ち受けているのか、最後に登場した海斗のおじいちゃんは晴れて孫の花婿姿を見れるのか、はたまたおじいちゃんがキャバにハマるのか? 今号でどじろー先生の仕掛けた天野結華ロスを撥ねのける光空さんの陽キャ燦々スマイルでこの暑い夏を乗り切れそうだ。
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