耳舐めの行方 [じゅらい] ひとりあそび (ゼロス #126)

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copyright 2025 ワニマガジン じゅらい

タイトルひとりあそび
作者じゅらい
掲載誌ゼロス #126
ページ数25
ヒロイン友乃
竿役リク
発射数0
公式タグおもちゃ / オナニー / パイパン / ショートカット / 処女 / 姉 / 撮影・配信 / 淫乱 / 羞恥 / 貧乳・微乳
修正白抜き修正

体調不良からお盆明けに仕事が立て込み本当に読みも書きもできない状況に陥っていた。申し訳ない。だいぶ溜めているが改めてゼロス巻頭から、じゅらい先生の作品をご紹介したい。

1つめの穴

先に断っておくと、本作には明確な竿役が存在しない。そもそも竿が出てこない。ヒロイン友乃の弟リクが冒頭から最後まで出てくる。本作は続き物と明言されており、今後の期待込みでリクを竿役と書かせて頂いている。友乃はカラーピンナップなど随所で黒髪とインナーカラーを魅せてくれる。ボーイッシュまではいかないが弟ともサバサバした関係で、ボクっ娘である(弟の一人称は「俺」)。

冒頭扉絵アオリで挿入はいったら出られない、穴」と書かれている。この穴には少なくとも3つの意味があると思う。そのまず一つ目が「耳穴」だ。友乃は普通に高校生活を送る傍ら、ASMR配信にハマっている。ASMRは”Autonomous sensory meridian response”の略で、日本語に訳すと「自律感覚絶頂反応」となる。 もともとは頭皮から首筋にかけてのゾクゾクするような気持ちいい感覚そのものを指す。したがってマッサージなどの触覚刺激による反応も含んでいる。とはいえこの反応が注目されたのは音声刺激であり、雨音やたき火の音などの環境音から「ささやき」「耳舐め音」などがトリガーとなる。音声はいくらでもオンラインで配信出来るため、いまやASMRは聞く側の反応では無く「聴覚による絶頂感を引き起こす音」そのものを指す用語になっている。本作冒頭で友乃さんが披露している「耳かき音」もメジャーなASMRのトリガーと言われており、探せばいくらでも出てくる。

バイノーラル

ASMRとともに出てきがちなワードに「バイノーラル(binaural)」がある。通常マイクによる集音は一点が中心となる。実際の人間は両耳を使い、耳の位置に起因する左右の音声差を自然なものとして受け入れている。これを再現するために、頭のダミー人形の両端にマイクを取り付け、聴取した音源をステレオで配信する技術、その音源のことをバイノーラル(両耳の意)と呼ぶ。聞こえ方にはさらに耳介(耳たぶ)による集音も含まれるため、実際に両耳がついたバイノーラル用マイクが販売されている。これは決して耳かき音声用でもエロ目的でも無いのだが、音源の距離が近ければ近いほどバイノーラルの効果が高まるため、快感そのものを指すASMRと合わせてエロとの親和性が非常に高い。一方でバイノーラル音源をスピーカーで聴かせることは非常に困難で、映画などでの応用は難しい。ヘッドホンが事実上必須であり、独りでこっそり聞くバイノーラルもまた現状女性向け含むエロに近いコンテンツの代名詞になりつつある。

チン凸

本作の展開は巧妙だ。6ページ、友乃は望まぬ洗礼を浴びせられる。何故か一部の男には女性と見れば辺り構わずチンコの写真を送りつけるという欲求があるらしい。99%相手のリアクションは見られないわけだから、送ったという行為自体で何らかの獣欲が満たされるらしい。風任せに花粉を飛ばす植物的な性欲なのだろうか。DMで呪物を送りつけられた友乃は即目を逸らす。そして聡明な彼女は、自分がやっている「耳かき音声」が見ず知らずの誰かを性的に欲情させていると理解してしまう。昨日とは違う目線で流れるコメントを見る。「耳舐め」というワードが彼女の心を捉えた。

2つめの穴

動物の感覚器は異物混入を防ぐためどれも敏感に出来ている。五感の中で皮膚の次に鈍感なのは比較的異物を受け入れざるを得ないだ。舌と舌との接触はご存じの通り少女漫画でも載せられる性行為のファーストステップである。対して耳は2番目に敏感な器官だ。他の性器および人体急所は身体のセンターラインに並んでいるのに対して、耳は少し外れている。なので耳責めは一般的な男女のABCには含まれない。だからこそ、耳への愛撫は新鮮であり刺激的なのだ。友乃さんは耳舐め音声を実際に体感する。ぶっちゃければ単なる水っぽいノイズである。くすぐりと同じで反射的に逃げたくなる刺激だからこそ、耳舐めは音声だけで強く脳に刺さる。まさにASMRである。友乃はそれを理解してしまった。これが「抜けられない穴」その2である。ちなみに順番で言うと耳舐めの上位には「眼球舐め」が存在する。フェチとして存在はするものの、ほとんどの人間は眼を無闇にイジられることを絶対に許容しない。衛生的にも決してお勧めはしない。

3つめの穴

そんな友乃を見透かすかのように、「ねこちゃん@北道」さんに投げ銭付きの耳舐めリクエストを投下される。5000円の誘惑に抗えなかった友乃は、その領域に舌を入れてしまう。「その後のことはよく覚えていない」。繰り返すが、耳舐めはくすぐりと同じ「不意打ち」ベースの快楽である。リアクションがないと舐める側はツボに入っているのかよく分からないのだ。しかし性的にウブな友乃ちゃんは「何となくえっちい行為」「自分を性的に見ている誰か」「5000円貰ってやらされている」という未体験のシチュに酔い痴れる。そしてシリコンの耳穴に舌を突っ込むたびに、予習したとおりにイヤーモニターから流れ込む淫靡な水音。玄人でもなかなか味わえない「セルフ耳舐め」というプレイが「頭を揺らすほどの衝撃」となった。この夜、興奮冷めやらぬ彼女は配信後にオナニーに耽る。3つめの穴が開き始めた。

耳舐めの行方

そして火照った身体と臨時収入5000円が手元に残る。友乃は恐らくその金でデイルドを購入する。ピンナップによるとピンク色だ。暗い自室でそれを口元に持ってゆく。唇に触れた、その瞬間リクからしょうもない電話が入り一旦気まずい間が空く。

生配信の最中というのは一種独特な、自分中心の思考になる。その夜の配信、もう止まれない友乃は、マイクの前でデイルドに処女膜を破らせる。熱を帯びたまま彼女は「お待ちかね…♡」の耳舐めを披露する。自分の舌の動きが、どこかにいる男達と自分の耳を激しく犯す。リスナーへの謝罪とともに彼女は絶頂を迎えた。本作タイトル「ひとりあそび」はここで幕引きとなる。

24ページからの事後、ここでリクが登場する。あくまで姉弟の距離感で話す二人は、「めっちゃくだらない」何かの動画を姉に見せる。友乃も自分の見た動画を探そうとリクの携帯で動画を探す。そのとき、リクの登録チャンネルの中に「ユーノ[ASMR]」というチャンネルを見つけてしまった。親の顔より大事であろう自分のチャンネルアイコンに本人が気付かぬわけがない。全身から汗が出る友乃と、赤面してスマホを取り上げようとするリク。彼の反応は最近エロさを増しているASMRチャンネルを登録していることが気恥ずかしいだけか、あるいは。冒頭で申し上げたとおり、本作は(チン凸DM以外)竿が出なかった。しかしどう転んでも次回作は「ひとりあそび」では終わらなさそうだ。商業エロ漫画らしからぬ迫真の引っ張りに期待したい。

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