copyright 2025 ワニマガジン へのえの
| タイトル | 安心安全に配慮した施工を心がけています |
| 作者 | へのえの |
| 掲載誌 | ゼロス #128 |
| ページ数 | 28 |
| ヒロイン | 店員さん |
| 竿役 | 客さん |
| 発射数 | 4 |
| 公式タグ | アナル / フェラ / パイパン / ギャグ・コメディ / 中出し / 恋愛 / 淫乱 / ぶっかけ・顔射 |
| 修正 | 白抜き修正 |
少々公私ともに忙しく落ち着いてエロ漫画を読み暇もなくて哀しい。本日は遅ればせながらゼロスから、へのえの先生の作品をご紹介したい。
脱出系エロ漫画
前作のレビューにて、へのえの先生の作品は「ついでセックス」と表現させて頂いた。他のことに目を向けていた二人が、いつのまにやらセックスしているという流れだ。本作もその系譜とまつたく言えなくも無い。みんな大好き「セックスしないと出られない部屋」モノである。大きく言うといわゆる「脱出系」というカテゴリで、廃墟だったり監獄だったり無人島だったりの孤立無援な状態からの生還を目的とするモノである。誰しもが持つ「帰巣本能」に訴えかけるので文化問わず共感でき、試練に立ち向かう命がけのサバイバルを手に汗握り観る。系譜を追いかけたのだが出所についてはっきりしたことは分からなかった。上記は脱獄モノを除くと「敵」は存在しないのだが、脱出系の派生として「誰かに監禁させられている」そして「犯人とのやりとりから脱出を目指す」というスタイルが出来た。元々は誘拐事件とかだと思うのだが、だんだん監禁そのものを目的としたサイコパスによって「被害者に何らかの行動を強いる」作品が出てくる。一方で与えられたヒントに正しく答えるとドアが開く「脱出ゲーム」がスマホなどで人気になる。ゲーム化するにあたってはルールが明確化され、「実は力づくでドアは開く」などの掟破りはタブーとされるようになった。そして被害者が一人では無く、複数人での協力が必要なトラップ、または被害者間での裏切りや足の引っ張り合いに主眼目が置かれた作品が次々と登場する。「突然見知らぬ部屋で目覚め、与えられたルールと共に脱出を目指す」というのが説明不要なテンプレートとなったのだ。あとはここにエロ要素をトッピングしたものが「セックスしないと出られない部屋」である。ここまでの系譜から、「なぜこうなったのか」ではなく「どうすれば出題者の条件を満たすのか」を真っ先に考えるように我々は既に訓練を受けており、本作の登場人物もそのように行動する。
変な服
またしてもへのえの先生の登場人物には名前の設定が無い。しかし本作の二人は全くの他人では無く、カフェの女性店員と男性客という関係性がある。正確には「駅前の店で一目惚れした女店員」と「筋肉フェチがいいなと思った男性客」と互いに認識している。要するに限りなく薄い両片思いである。以降「店員さん」「客さん」と呼称する。二人とも両横開きの患者衣のようなものを着せられている。ありそうでなかなか探し出せなかったがこういうやつのもっとラフなものである。本来は上下セパレートだが下は履いていない。ちなみに下の毛は犯人によって剃られている。医療関係者の犯行の線がある。

ナゾとき! ゼロス脱出ゲーム
先に起きていたのは店員さんで、次のタブレット表示を見ていた。今回もすべてパワーポイントで用意させて頂いた。

この画面はスライドが可能で、6ページ、さらに詳細な説明が追記されていた。
- セックスは相手の体内に射精したときのみ成立する。
- 扉は電子扉なのでそちらからは開けられない(無理はしないように)
- 扉に向かって右奥の壁はドアになっている。シャワートイレが備わっている。
- 逆側には食料と電源があるので充電するように。
- 電気を消したいときは扉右の突起を押すように。
- ある条件を満たすとルールが開示されていく。
時系列的にはこのあと3ページ扉絵のセックスした後で7ページの画面に辿り着く。こちらである。

「この部屋は」の注意書きが最初の画面にあったかどうか、そしてタイマーが画面上どこにあるかは不明である(右上とする)。
ほかの穴埋め
最初の画面で「セックスしないと出られない部屋」とは書かれていなかったことは皆さん気になったと思う。作中の二人もこの不自然な空白に着目した。誰がどう見ても間違いようのないセックスをしたにもかかわらずドアが開かなかったことから、彼らは「ただのセックスでは無いのかも」というなかなかな仮説を捻り出す。候補は「オーラル」そして「アナル」。まずオーラルを実施した結果がこちらである。本作は店員さんがエロに前のめりな点が非常に良いのだが、オーラルセックスの可能性としてクンニは潰しておくべきだったとは思う。

あまり有用で無いメッセージが追加された。ここでタイマーがリセットされているはずなのだがそこには触れられない。シャワーを浴びると出て行った店員さんが「こ…こっちでしませんか?」と声をかけてきた。アナルの出番である。これには二つの要因がある。一つは彼女自身の遍歴にある。18ページ、フェラはあくまで前戯であり、「アナニーは趣味…!!」「ディルドと違うこのフィット感をもっと味わいたい…!!!」というへのえのガールズらしい業を彼女も背負っていた。それだけではない。彼女には勝算もあった。ルールにわざわざ「シャワートイレ」の記載がある。アナルを使うにあたっての腸内洗浄にはこれが欠かせない。その上で彼女は「体内での射精」の縛りはあっても行為場所の制限は無いことも見ていた。万一の場合に備えてシャワールームでの行為に踏み切ったのも彼女の長年の経験を物語っている。
20ページ、アナルセックスによって何かが情報開示されたらしいのだがそれが何かが分からない。完全に推察だが、漫画のコマは本来この画面だったのではないかと思われる。

犯人はノスタル爺
そして再度ノーマルなセックスと性愛の告白をした上で、本作ネタバラシとーなる。27ページ、最後の画面がこちら。

さらに逮捕されたらしい事件の黒幕に関する情報がこちらである。
犯人は両片思いのじれったい二人をくつつけることが生きがいとしてた気ぶりな人であったが語るまでもないので省略する
「気ぶり」というのは本来キチガイ(気がふれた人)を指す語だったのだが、藤子・F・不二雄先生の「ノスタル爺」という作品の下のキャラ(に対する曲解)から、「カップリングの成立に干渉する人・行為」を表すネットミームとなっている。まあ本作の通りただの仲人ではなく常軌を逸している必要はあるのだろう。

まとめよう。犯人はどこからかこの二人の両片思い振りを察知し、二人を強引にくっつける舞台をしつらえた。間違いなく常習であると思われる。「セックスするたびに情報開示される」仕組みなのか、ただ時間経過で開示される仕組みなのかは分からない。無論この仕掛けの妙味は「その気が無ければ勝手にドアが開く」ことにある。あくまで見込み違いであった場合に無理矢理行為させることが本意では無い。2時間というカウントダウンを見せることで互いに自分の好意を開示する機会を与えることに犯人は心血を注いでいる。上でも触れたとおり、犯人はこの一部始終を見たいという出歯亀根性は見せていない。あくまで「くっついた」という結果が欲しいという性的に健全な異常性が垣間見える。そしておそらく本作のカプは歴代最速かつ最多リセット回数を更新したのだろう。肩入れする気は無いが、両片思いを食って生きている犯人からすればドン引きの所業である。「抱くなっ!! そんな早く抱くなーっ!!」「アナセすなーっ!!」と絶叫したところを通報され逮捕されたのだろう。当の二人はすっかり温まったところで突然「2時間の禁欲」を課せられ、解放された後さらに燃えサカったとある。収容者のホスピタリティの面で「安全安心に配慮した施工」は垣間見えるのに対して、ノースキンでのアナルからの中出し連発と危険極まりない行為で彩られた、へのえの先生らしい鮮やかな施工に今後も期待したい。




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