copyright 2025 ワニマガジン エセ林エフ
| タイトル | 元娼婦のメイドは領主の次男坊に恋をする |
| 作者 | エセ林エフ |
| 掲載誌 | 異世快楽天 Vol.51 |
| ページ数 | 28 |
| ヒロイン | リリア |
| 竿役 | カイル |
| 発射数 | 4 |
| 公式タグ | フェラ / パイパン / ファンタジー・SF / 三つ編み / 中出し / お姉さん / 巨乳 / 恋愛 / メイド服 / 潮吹き / 異種間 / 童貞 / 金髪・茶髪 |
| 修正 | 白抜き修正 |
本日は異世快楽天から、初登場エセ林エフ先生の作品をご紹介したい。
孤独な少年に百合は恋する
繰り返すが異世快楽天は外楽と違い、異世界でありさえすれば異種族であるという縛りは無い。それでも本作は人間のエルフの純愛物語である。タイトルの通り、ヒロインが元娼婦のメイドであるリリアさん。そんな彼女が仕えるのが領主の次男坊である本作竿役カイルくんだ。本作の英題は「The lily falls in love with a loznely boy」とある。後に出てくる通りカイルは行き倒れていた娼婦の美しい髪を「百合の花(lily)のようだ」と形容した。ここからリリアと名付けられている。後ろの「loznely」という単語は存在しないため、lonely(孤独な)の誤記だと思われる。なおlozelという「ろくでなし」という意味の単語もあるが、カイルくんはそういうタイプでは無いと信じる。

ブライド・メイド
本作はエロシーン抜きで十分に出来上がっている作品である。具体的には13ページから26ページが丸々落ちていたとしても大変面白い。この区間には有料エロ差分のように濃密なエロが織りなされており、実用性も含めてさながらコンプリートパックのような満足感がある。
本作の前段はBAVELで連載されている可座ミドリ先生「ブライド・メイド」と同じく、領主の家に生まれながらうだつの上がらない次男坊(「ブライド・メイド」は三男坊)と、それに仕えるメイドの物語である。シンシアさんと同じくリリアもまたカイルの縁談を「名家のお生まれで持参金の額も申し分ない」と進めている一方でカイルは乗り気では無い。一方で他のメイドどもは「(次男坊であるカイルは)早く婿入りしてお家の役に立った方が良いんじゃない?」「ずっと引き籠もって本ばかり」「おまけにあんな汚れた種族のメイドとずっと」と酷い言われようである。立ち話とはいえ品がない。種族のことを差し置いてもリリアさんの方が万倍マシである。実際主を小バカにされたリリアさんは般若の形相(っぽい可愛い三白眼)で睨み付け追い払っている。このあと事件は起こる。
はだけた姿も百合の花
見合い相手のローズ家の令嬢は若干ふくよかめに描かれている。カイルを慕っているらしいので容姿のことは置くとして、特段何もなくお茶会は終わる。少々自虐的な感傷に浸るカイルとそれを全否定するリリア。その二人を乗せた馬車が突如襲撃を受ける。相手は賊では無く、守るべき領民だった。予告無き武装蜂起。辛くも屋敷まで戻った二人はそこで、屋敷ごと磔刑に処されている家族を目の当たりにした。「まだ末の息子は逃げている」「見つけ次第殺せ!!」、領民の怨嗟にカイルは意識を飛ばす。次に目を覚ましたのは場末の宿屋。茫然自失のカイルを命懸けで連れ込んだ。カイルを信じ、善後策を伝えるリリア。領民の怒りと家族の惨殺を目の当たりにし塞ぎ込むカイル。運命は休息を与えず暴漢が部屋の扉を叩く。絶体絶命のカイルをリリアは押し倒し、服を脱いだ。一瞬の機転で町娘との逢瀬に見せかけたリリア。バツの悪い暴漢は誤報に気を取られ出て行く。「検分済み」となった部屋に二人は残された。
ヴィラ・スー フ・ドゥーラ メル・アルタ
本作はエロの導入もストーリーがある。とっさの機転でキスする二人。気持ちを抑えられないリリアに対して、家族の最期がよぎるカイルはリリアを快楽に耽っている場合では無いと突き放そうとする。強く拒絶されたと感じたリリアは、カイルの愛は男女の性愛では無かったのかと己の出自 – 混血の、元身売りの中古品であることを嘆く。そうじゃないとかぶりを振るカイル。リリアももう退けない。チンコを取り出し愛撫を始める。1発抜いたタイミングでリリアはカイルの耳元で恥ずかしげに詫びた。「リリアは…リリアから坊ちゃんを奪うものが無くなったことにホッとしている自分がいるんです」。幼少期のカイルとの想い出、いわゆる「エルフは年取らない」が伝わる。カイルから見たリリアはいついつまでも変わらない安心できる存在だ。対してリリアはカイルの成長の速さに戸惑いと不安を感じていた。そこに気がついたカイルは、はっきりと、言葉と指で、出会った時以上の思慕をリリアに伝えた。やり方はよく分からない事、リリアをズリネタにしていた事、リリアの気持ちに応えたい事、万感の思いで二人は種族と身分の壁を越えて深く繋がったのだ。事後、首筋に小さな傷を見つけたリリアは、回復魔法で治そうとする。「ヴィラ・スー フ・ドゥーラ メル・アルタ」傷口に口づけするリリアにカイルのチンコも見事に回復する。ここからさらに二人は激しく愛し合った。
助けを求める勇気
コメントでも多数寄せられているように、本作の圧巻は事後の27ページの回想だ。第三者目線だがリリア側の回想である。時間軸では1ページの直後、路地裏に倒れていた「汚い娼婦のハーフエルフ」に「領地の民を守るのが貴族の役目」という受け売りの知識で手を差し伸べたカイル。リリアがそんな幼い彼に思ったのは歪んだ嫌悪感だった。人間に蔑まれ、人間に売られ、人間に汚されたハーフエルフが抱きうる当然の感情だ。大屋敷の浴場にて自ら背中を流すカイル坊ちゃんに、リリアは「ねぇ、満足?」「優越感、気持ち良いかって聞いてんだよガキ」と噛みついた。「…お姉さん名前は?」「無いし話聞けよ」「綺麗な白髪…百合の花みたいだね」「はァ?」「リリア 君は今日からリリアだよ」「ねぇリリア 僕と一緒にいてよ?」。恐らくだがカイルは覚えていないであろう。善意に囲まれて生きてきた世間知らずで純粋無垢であるがゆえのカイルの真っ直ぐな興味と行為を向けられたリリアの心にそれは刻み込まれた。劣等感や無力感から出た卑屈で恩知らずな攻撃を完全にいなされたリリアは驚き、疑い、戸惑い、そして悔いたのだろう。年長者が持っているはずの「助けを求める勇気」を自ら捨てていることを少年に教えられたリリアは、時間をかけて失ったものを取り戻すと同時にカイルにも与えていった。一方でカイルは独り立ちを求められながら踏み出す先を思い悩んでいた。リリアの手を放すことが出来ない自分への葛藤があった。しかし一夜にして全てを失い敵意に囲まれたカイルは、助けを求める勇気を他ならぬリリアから学んだのだった。それが家族への配慮より、まして領民への意識より大事だった。カイルはリリアの提案した「北の分家による保護」ではなく、「小さな牧場を営む西の叔父」に頼ること、家の再興では無くリリアとの生活を選んだ。玉ぼん先生「瑠璃の欠落」では3話がかりでその後の二人と周囲の様子まで描写されたが、本作はこの退路なき決意をもってオチとなる。重厚な舞台構築、緊迫感、そして二人のメリハリの利いた表情描写が大変読みやすくまとめられている。加えてエロシーンにも物語性があり、一夜の情事であるにもかかわらず多彩である。完成されているが故に、ここから次作どのような引き出しを魅せて頂けるのか想像もつかない。「異世快楽天」以外の舞台でも見てみたいエセ林エフ先生の感動名作だった。


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