copyright 2025 ワニマガジン どらのやま
| タイトル | 聖夜はふたりのものだから |
| 作者 | どらのやま |
| 掲載誌 | 失楽天 2026.01 |
| ページ数 | 34 |
| ヒロイン | 市川依李 |
| 竿役 | 人吉大 |
| 発射数 | 3 |
| 公式タグ | パイズリ / JD / 中出し / 同級生・同僚 / カップル・夫婦 / 巨乳 / 恋愛 / 手コキ / 淫乱 / 陰毛 |
| 修正 | 白抜き修正 |
ただいま私の時計で12月24日18時だ。今年も聖夜がやって来る。そんな中、失楽天からどらのやま先生の連作最終話をご紹介したい。今年は曜日や天気の関係でクリスマスムードは低調だ。komiflo誌面にもあまりクリスマス感は無いのだが、その中でラブラブを貫く本作を皆様に捧げたい。
シリーズ一覧
本シリーズは本作で5話目となる。残念ながら1話目「話を聞いてくれたから」のみ配信落ちしている。馴れ初めから成熟してゆく大学生カップルの良いところだけ生搾りされている。とても滋養に良い作品である。本シリーズは連載期間に沿う形で時間の経過があり、1話は11月の話だ。聖夜まで順に見ていきたい。
| タイトル | 初出 | 舞台 | シチュ |
|---|---|---|---|
| 話を聞いてくれたから | 失楽天2024.11 | 人吉宅 | 童貞卒業 |
| だって発情しちゃうから | 失楽天2025.03 | ホテル | 禁欲開け |
| したことないこと | 失楽天2025.09 | 市川宅 | バ先コスプレ |
| きっとお酒のせいだから | 失楽天2025.11 | 伊豆の民宿 | 伊豆一泊旅行 |
| 聖夜はふたりのものだから | 失楽天2026.01 | クリスマスの人吉宅 | 性の6時間 |
馴れ初め – 話を聞いてくれたから
本作はヒロイン市川依李のゼミ課題の提出から始まる。手伝っていた同ゼミの竿役、人吉大はこの時点でまだ「よっしー」と呼ばれていた。市川が人吉にオゴるということになり、皆さんご存じ牛丼チェーン「好き家」で「とろ~り3種のチーズ牛丼」らしきものを食べる。市川には彼氏がいると人吉は認識していたのだが、「こないだ別れたとこ」だと、原因は元カレの雑な性生活と浮気にあると人吉は聞かされる。

愚痴モードを嫌った市川は唐突に映画「キングタウン」の話を振り、これが人吉にも刺さる。盛り上がったところで服に粗相をした市川を人吉は自宅に誘った。後にこれが童貞最後の日だと語る彼は、自分のシャツを貸し、服を水洗いし、キングタウンのの原作漫画を読むことを薦める。夜も更け、家に帰そうとする人吉に市川がしなだれかかる。「同じように男の人の家にあがっても 相手が機嫌いいかどうか気にしなくてもいいって こんなに楽なんだなーって思った」。バキバキ童貞の人吉でもその気にならざるを得ない。AからBへと順調に進み、市川さんがその気になったところで、童貞宅にゴムなど無いという事実に気付いた二人は、ここから二人手をつないでコンビニへと向かう。終始積極的な市川にカラっぽにされる人吉と、朝から「きっさてんのモーニング」級の朝食で満たされた市川は交際一日でお付き合いを決める。
欲情 – だって発情しちゃうから
全体を通して人吉君は元童貞でありながら女性への気遣いがエグい。対して「男はヤることしか頭にない」と憤慨し元カレと別れた市川さんは、自分の性欲の深さに困惑を隠せなかった。会うたびヤっている二人は、そろそろデート的なことをしたいということで、馴れ初めである「キングタウン」の映画2作目を観に行くことに決めた。決戦は再来週の土曜日。しかもこの間なかなか予定が合わず二人は「溜まって」いた。巨匠・山野銅鑼先生の長編作品「キングタウン」の映画2作目で、作中世界観「かつてこの街にはクロコダイルという伝説のチームが存在していた しかし十年前のある事件をきっかけに クロコダイルは[BLUE BADS] [LUBY POSSE] [黄金一家]の三つに分かれ混沌を極めていた」(カッコは筆者)が明かされる。私は何となくこちらのような作品を想定していたのだが、作中の場面は思いのほかハードボイルドな雰囲気だった。
普通に鑑賞後のカフェ感想戦はこなすのだが、市川さんはエロ真っ盛り過ぎて人吉君の手を過剰に意識してしまう。ホテル「Honeymilk」に連れ込まれた人吉は赤裸々な市川の欲情にもちろんバッキバキである。デートコードを脱がさないままにおっぱじめる。散々ヤり散らかした後、「このままうち泊まる?」と水を向けた人吉に、市川は「冷蔵庫の食材」など更に生々しい理由で固辞した。
嫉妬 – したことないこと
3話、タイトルからもこの話だけ異質なのが分かる。唯一の市川さんホームの話であり、全体が人吉君目線で語られている。原因は人吉君が市川のバ先に行ったことにある。彼女のバイト先は「Goldfingerburgar」というハンバーガーショップだ。ここで人吉は「ダブルチーズチリバーガー」を注文する。チリバーガー(チリコンカンを挟んだもの)を常設しているのはフレッシュネスバーガー、ゼッテリア(旧ロッテリア)などがあるが、市川さんが着ているようなビビッドなストライプ、そしてネクタイという制服から「ウェンディーズ」が最も近そうだ。こんな感じである。

そこで人吉が見てしまう。やたら市川と距離が近いバ先の男。案の定元カレであった。「正直今まではそんなに気にしてなかったんだけど 実物を見たせいで変に意識しちゃって」よく分かる。そしてそれは市川さんの側にも負い目がある。ここからは本シリーズ唯一の人吉攻めが始まる。女性側が何となく嫌で男性側がしたいことが詰め込まれる。
- 一緒に風呂洗いっこ
- 風呂場で立ち素股
- バ先の制服プレイ
- 挿入中に彼女に乳首いじらせ
そして市川さんもまた新しい扉を開いたところでオチとなる。当然元カレとはシフトを重ね合っているんだろうが以降まったく語られない。ただのアテ馬である。あと全体を通して本作だけ薄着であり夏の話に見える。
伊豆 – きっとお酒のせいだから
おそらく全5回のプロットが見えたということか、ここで舞台を大きく変える。この二人がどこ住みなのか見当は付かないが、ふたり初旅行の行き先は伊豆と明確に語っている。伊豆大島ではなく伊豆半島だと思われるが、船でのシーンから始まる。本州側から伊豆半島に船で行くルートとして、駿河湾の清水側から伊豆半島西岸に入るフェリーがある。いわゆる「海上県道」223号線だ。

しかしこの後観光しているのは伊東側の伊豆シャボテン公園だと思われる。ボートに乗って園内を巡るアニマルボートツアーズの光景が見て取れる。車があれば半島内の移動はそんなに苦では無いが少なくとも伊東から下田にかけての民宿で一泊したと思われる。
レトロなタイル風呂に海鮮満載の夕食、そのあと部屋でツマミを持ち寄っての酒盛りという交際半年とは思えないほどしっとりとしたオトナの夜を愉しむ二人。私はいままさにクリスマスイヴの夜だが、楝蛙先生的な「間の探りあい」が無い、交渉するまでも無い約束された夜というのはまた淫靡で宜しい。温まった女性器は柔らかく、酒が入った男性器は硬いという「湯ボボ酒マラ」という言葉もある。しかしあろうことか人吉はここで「早めに寝よう」という。市川さんは飲み込んだが、読者はブーイングだ。しかしもちろんここは失楽天なので、「このまま朝まで寝た」は許されない。市川さんのフィンガーテクから当然エロシーンに持っていく。「中折れするかも」という人吉を騎乗位で駆り立て、女性上位の松葉崩し、四十八手で言う「宝船」の体位でゴールに持ち込む。

さすがに火が付いた人吉によってさらにエロシーンが続き、気がつけば朝チュンというオチであった。事後、コメントにもある通り伊東オレンジビーチのプロムナードアートをバックにツーショット写真を撮ってオチとなった。

比翼 – 聖夜はふたりのものだから
そして本作である。もうすっかり出来上がった二人のウイニングランのような回だ。クリスマスイヴに人吉宅に招待された市川は、モーニング以来の振る舞いに舌鼓を打つ。今回のテーマとしては「人吉君がちゃんと彼女をリードする」なのだが、据え膳状態の4話で「したいの?」と言い放った男である。案の定上手くいかない。本シリーズを通しての答えは「したいほうがする」、人吉には彼なりの良さがあり、ことエロに関しては市川さんに任せると万事上手くいくという事を痛感させられる。結局お姫様抱っこしたにも関わらず、彼女フローリングに下ろして着衣パイズリに持ち込む。そしてイキそうになる人吉に「ナマでいいよ」という声が掛かった。女性はここ一番の勝負所と生理周期の整合という難題が紀元前からあり、ピルによって自己意思で周期を整えられるようになってまだ100年経っていない。女性のキャリア選択を決定的に変えたピルは「20世紀最大の発明」とも言われている。お互い他に性交渉の相手が居ないのであれば性病の心配も薄い。生エッチが始まる。そしてフィナーレを飾る本作はそれだけで終わらない。半ば誤射のような形で黒タイツに一発。「中に出してくれてもよかったのに」という市川さんの一言で硬度を取り戻した人吉は遠慮すること無く中にもう一発。本作はここまで市川さんは着衣のままであり、なんとこの後で純白の勝負下着が披露される。ここで改めて仕切り直し、愛を語り合ったのちズラしハメでフィニッシュとなる。最終話は実はヒロインが最後まで脱がない変化球だったのだが、そう思わせないほどの乱れぶりと5話合わせての市川さんのストレートな求愛で通常の倍以上の濃厚さに仕上がっている。
もろびとこぞりて
事後、二人はプレゼントを交換する。市川はペアウォッチ。「次はペアリング」という事実上のプロポーズの形で本シリーズ最終回はオチとなった。多くの読者が「ここは失楽天か?」と驚くほどに波風無くゴールインするほっこりとしたストーリーだった。甘さ一杯の快楽天、肉食系のBEASTに対して、失楽天はビターな話が多いとされる一方で、本作のような「穏やかな大人の恋」というアダルトさも魅力だと思っている。市川依李さんはどらのやまガールズの中ではカワイイ系寄りだが、要所で見せる芯の強さと妖艶さがギャップになっており、どらのやま先生にしか出せない配合だ。竿役は最後まであまり見せ場が無かったのが心残りではあるが、上記の通り男女のバランスである。本作ラスページは25日0時と明言されており、今私の時計で25日0:22だ。まだ聖夜は終わらないが、私もここらで一旦筆を置こう。皆様よいクリスマスを!!
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話を聞いてくれたから(単話)330円
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めちゃくちゃになろうよ1,320円
誰でもいい気分(単話)330円
消えた女王様(単話)330円


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