絵画じゃん [ホムンクルス]Beuatiful girl (快楽天2023.2)

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一発目の記事は王道中の王道と言えるこの作品の紹介がふさわしいと何となく決めていた。本号のカバーガールでもあり「タペコレ」という付録にも使われているらしい(Komifloでは付録は見せてくれない)。

ネット界隈で何らかのえっちな女の子の画像を貼る場合に、それが写真でなく二次元画像であったとき「絵じゃん」という返しがある。あまりに膾炙しすぎてもはや使われてもいない表現でもある。生身の美しい女性(男性でも良いが)の写真を嫌いな人間は居ないが、いわゆる萌え絵には好き嫌いがあるということなのか。単にネット界隈において二次元絵などありふれていて食傷気味なのだろうか。あるいは人権のあるべき被写体に配慮せずともロリだろうが巨乳だろうが人外だろうが何だってご用意できる「絵」に対して、ある種の卑怯さを感じる向きもあるのかもしれない。いずれにしろ、「絵じゃん」という返しは専ら、「写真を用意しなかったUP主」に対するネガティブな意思の表明と扱われる。

そもそも写真だって二次元の絵だろうというツッコミは置いておくとして、すべてがデジタルのこのご時世、クオリティのある萌え絵はネットにとどまらず巷に溢れかえっている。最近のAIによってさらに絵を生成するコストが下がり、絵というものの価値は不当にも落ち続けているように見える。かたやエロい写真もSNSを経由して無尽蔵に供給されはするが、万人が納得するクオリティ、ましてや性嗜好を満たすてくれる写真とは一期一会である。絵じゃんとがっかりする気持ちはわかる。

エロ漫画の魅力とはストーリーと画力の掛け算と言って良い。ただの絵に無限の可能性を見いだせるストーリーの妙味こそエロ漫画の不朽の魅力と言える。ホムンクルス先生は女性のキャラクターや構成にも味のある作家様であるが、本作に関して「美少女幼なじみと再開からのH」というストーリーはド定番ベッタベタである。絡みに関しても実にオーソドックスに展開する。しかしそれが本作の最大の魅力である月ヶ瀬柑奈という「美少女」を素材のまま存分に活かす最高の調理法なのだろう。ストーリー巧者と言える作家様は数あれど、ここまで画力のみで押し切れる、押し切った作品は高クオリティの昨今むしろ稀有なのではないだろうか。

繰り返すが、奇しくも本作のヒロインはカバーガールであり、タペストリーにまでなっている。もはや絵どころか名実ともに「絵画じゃん」なのである。

あらすじ

花村真紘は近所の公園で寝泊まりしようとしている幼なじみの月ヶ瀬柑奈と久々に再会する。学生時代から美人であるがゆえに孤立しがちな柑奈を心配していた真紘は居酒屋で自重するよう試み、結果ホテルに宿泊させることとなった。孤立してトラブルを起こしがちだった柑奈の矢面に立っていた真紘に友達以上の感情を抱いていた彼女は、帰ろうとする真紘を引き止め誘惑する。

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