はじめての感情知ってしまった [Croriin] 花蜜の庭 (異世快楽天 Vol.46)

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copyright 2025 ワニマガジン Croriin

タイトル花蜜の庭
作者Croriin
掲載誌異世快楽天 Vol.46
ページ数30
ヒロインアプリコ
竿役ルーク
発射数2
公式タグフェラ / パイパン / ファンタジー・SF / 中出し / 巨乳 / 恋愛 / 淫乱 / 異種間 / 野外・露出 / 金髪・茶髪
修正白抜き修正

本日は異世快楽天の看板作家、croriin先生の作品をご紹介したい。

くれた知らない名前のお花

croriin先生作品は比較的「異世界」という世界観を前面に出すために、ヒロインと竿役が緊密で特別な関係であることを強調しているものが多いと感じている。本作はヒロインが我が道を行っており竿役が完全に振り回されているという構図だ。本作ヒロインのアプリコさんは花の淫魔アルラウネ(Alraune,ドイツ語)であり、若干禍々しさのある食虫植物の女体化という雰囲気を醸している。 アルラウネはドイツの伝承で、絞首刑にされた童貞が処刑の瞬間に出して地に落ちた精子から生まれた淫魔とされる。下のカラー表紙を見ていただきたい。体中にハエトリグサやモウセンゴケ、ウツボカズラなどが散りばめられており、下半身はショクダイオオコンニャクの花を思わせる。なおショクダイオオコンニャクの花は強烈に臭いことで有名だが、本作のアプリコさんはいい匂いがする。竿役のルークはいわゆる森に住むエルフであり、人間の侵略に対抗する警備員という立ち位置だ。

はじめての感情知ってしまった

ヴィーガンという思想の持ち主は「人間による搾取からの動物の解放の原則」のため食料、衣類、その他の目的のために、動物の搾取や虐待を可能な限り排除しようとする。その意義に賛同するかはさておき、そんな彼らでさえも「植物の考え方に共感する」ことは難しいのだろう。人間はありとあらゆる動物の行動についてその意図を考え、理解しようとする。実際にあるか無いかは学問的にも難しいのだが、動物には体性感覚(痛いなど)があり、感情があり、思考があると考えてしまう。対して植物には「行動」つまり反応が無いため、我々動物にはそれに紐づく思考も感覚も考えづらい。実際には太陽に葉を向けたり、種を飛ばしたりなど植物もまた環境に反応しているのだが、それは機械仕掛けのような意図の無い仕組みと捉えがちである。あげくの果てには脳機能を喪失して生理機能だけが続いている人間のことを「植物状態」と言ったりもする。かように我々は植物の思考というモノを受け入れられない。そしてその最たるものが生殖活動と言える。

ある程度進化した植物には雌雄の概念があり有性生殖する。しかし多くの植物は雄と雌に分かれているわけでは無く、自分のおしべから出る花粉でめしべに受粉させる、自家受粉も可能である。植物の受粉は虫や風によって媒介されるわけだが、つまり相手の個体を指定することが出来ず、受粉した後でもそれがどこのどの株かすら分からないのが植物的な生殖である。我々の感覚からすれば目隠し公衆便女孕ませプレイが正常であり、場合によってはオナニーで子供が出来る世界観だ。ひとつの生体が複数のメスを孕ませ、複数のオスに同時に孕まされる。子育てのための行動が取れないうえに、何なら自分の足下で種が芽吹くと養分や日光の取り合いが発生し「共食い」になりかねない。育ったら育ったで近親交配も起きまくる。植物種にとっての生殖はマクロであり、いかに全体として戦略的に範囲を広げるか、そのためには手段を選ばない。植物を「擬人化」して人格を入れるとどうしても動物的倫理観とは相容れない思考回路ができてしまうわけだ。むろん全てのラブコメが生殖を目的としているわけではないので、シビアな話を抜きにすることは出来る。この前提で本作を読んでみたい。

満たされない穴は惰性の会話や澄ましたポーズで

まず大前提としてアプリコさんは、我々がエロいと考える行為全般をエロいと思っていない。彼女が本作で取っている行動のほぼ全ては採餌であり、股ぐらに開いているらしい上の穴も下の穴もチンコを突っ込まれて搾精するためだけに存在している。人間の性器の形に擬態しているだけで、おそらく元は道管とか師管とかなのだろう。ルークも我々もアプリコの姿態に興奮を隠せないのだが、それだけ完成度の高いイミテーションなのである。そして本作の深いポイントは、植物であるアプリコさんが考える愛の形である。ここでは無論男と女の性愛の話をしており、アルラウネレベルの植物であれば雌雄の概念までは理解出来るはずだ。しかし上記の通り、植物主たるアプリコはルークが語る結婚の倫理観はおろか、結婚という概念さえ理解出来ない。ミツバチが花粉を蜜を恥ずかしげも無く食料としているように、人間が分泌する精液だろうが愛液だろうがアプリコにはただの栄養である。人間そしてエルフのオスの精液を効率よく摂取するために彼女の形態は進化を遂げている。当然あられもない美少女になるわけだ。この上にアプリコは匂いによる誘引も行っている。

一方で採餌という面で言うと、植物は動物以上に「子育て」「介護」といった感覚が無い。全ての植物はタネとして親から与えられた遺伝子と栄養以上のやりとりが出来ない。しかし生きている以上栄養と水を求める欲求はあるはずで、それを動物が意図的に与えてくれると分かったときに何らかの情動が生まれても全く不思議では無い。少なくとも、受粉の媒介をしてくれる虫に対して蜜を分泌するなど恩義にリターンを返すことの意義を植物は理解している。これが植物にとって最も「愛」に近い感覚なのかもしれない。5ページ、実はアプリコにはルークに自分の獲物を分け与えるという感覚は備わっている。エルフはアルラウネを襲いはしないものの、ルークの所属する自警団の団長はアルラウネを下賤な存在として嫌っている。アプリコは団長の言うことは聞くものの、会話や誘惑はしない。過去に何らかの軋轢があったのだろう。しかしその上でルークとは共生関係以上の情を抱いているようなのだ。

歌って聞かせて この話の続き

「結婚ってのは一人の相手を愛することを誓う儀式で…嫁さん以外と『こういうの』をするのはダメになるわけ」ルークの結婚観、倫理観は我々のそれとさほど変わらないようだ。ルークはエルフの年齢で結婚適齢期らしく、結婚した暁には当然アプリコとの関係を断たねばならないと悩んでいた。ルークにとってアプリコは「はじめての女」であり、何よりアプリコ以外では勃たないほど耽溺していた。15ページ、アプリコはルークに問う。「私たちの『こういうの』が愛するってこと?」、射精寸前のルークは当たり前のことを聞かれたかのように「そりゃあ…そう…なるのか…?」と返答した。愛とは精を与えてくれること。それを聞いたアプリコは尚のこと困惑する。問題点が理解出来ない。「結婚したら一生外食してはいけないんだ」と言われているようなものだ。誰も食欲を縛ることなど出来ない。ルークは私に精を与えたい、私もルークの精が欲しい。この尊い関係の何が問題なのか、と。25ページ、ルークは中に出す寸前で「子供が出来てしまえばアプリコと結婚できるのでは」と問うた。愛の話をしていたのに、なんで精子を腹に出すタイミングで子供の話になるのか理解出来ない。アプリコは生理的事実としてセックスでは子供は出来ないことを告げた。

事後、エルフの高尚な倫理観に逸脱して魔物と愛欲にまみれているルークは「おれ…堕落…してんなぁ…」とつぶやいた。エルフは一般に人間比で長命とされる。ここまでの二人の関係性も百年単位かもしれない。アルラウネの寿命は分からないが、植物は植物であるというだけで気の長い生き物なのだろう。結婚適齢期を迎えて焦るルークを見ていても、出会ったときから精を与えてくれているという点でアプリコは「変わってない」と言う。ずっとこの関係を続けたいとルークもアプリコも思っているのなら、これはエルフの言う「結婚」であり「愛」なのでは? アプリコの純粋無垢な問いにルークが笑ったところでオチとなる。冒頭に書いたとおり、croriin先生の作品世界観は重厚で、そこに囚われるヒロインは概ね運命を過剰なまでに背負わされ聡明果断なキャラとして描かれがちだ。本作ヒロインはcroriinガールズの中では相当にあぱらちゃけている。それでいて醸し出される世界観は淫靡で深遠だ。そして設定上もエロマシーンとして産み出されたアプリコさんのエロ漫画的な破壊力はcroriin先生ピカイチと言っても良いだろう。実用面でも本作は勧められる。

おうちかえる

本作4ページ、一匹の蛙が登場する。アプリコの本体は森一帯を覆っており、ハエトリソウのようなトラップも彼女の一部だと思われる。11ページ、蛙は捕らえられる。ハエトリソウは捕まえた獲物を消化しきるまで離さない。17ページ、23ページ、ルークのようにアプリコに籠絡され身動きが取れない蛙は、ラスページで不意に解放される。どうしてか。次のような解釈が考えられる。

  1. 気まぐれ
  2. 隙を突かれ取り逃がした
  3. 身体全体を消化する必要は無く、必要な物は吸った
  4. 以前ルークに手を出して帰したのと同じように、獲物を解放することで自身および他の獲物の警戒心を緩め、後々の利益を得る
  5. アプリコなりに結婚というものを理解した結果、ルークの前で他の獲物を摂食することは「不道徳」だとルークは感じているかもしれないと思った

私が思いついた順である。いち動物としては、5であってほしいなと思っている。

あらすじ

アルラウネのアプリコは森に侵入してきた人間を縛り上げ精を搾り取っていた。エルフのルークはアプリコと古なじみであり、アプリコに誘発され滾った性欲を処理してもらっていた。一方で年頃のルークは結婚するように諭されていた。「結婚すると貞潔を守る」という概念を理解出来ないアプリコは、

croriin先生の作品はこちら!!

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