copyright 2025 ワニマガジン どじろー
| タイトル | あっくん嫌い! |
| 作者 | どじろー |
| 掲載誌 | 快楽天 2026.06 |
| ページ数 | 31 |
| ヒロイン | 楠木ゆづ |
| 竿役 | あっくん |
| 発射数 | 1 |
| 公式タグ | しつけ / おもちゃ / パイパン / おもらし / 中出し / カップル・夫婦 / 巨乳 / 幼なじみ / ミニ系・小柄 |
| 修正 | 白抜き修正 |
5月に入った。さっそく快楽天からどじろー先生の作品をご紹介したい。正直に言うと、今号の巻頭であるホムンクルス先生「春を追う」から書き始めたのだが、こちらの竿役あっくんを引用したい箇所が多々あるため先にこちらをご紹介させて欲しい。
あっくん
本作竿役はキモ男タグがギリギリつかないレベルの不審者ルックスな男だ。1ページまで可憐な百合が咲くヒロインである楠木ゆづさんから「あっくん」と呼ばれている事以外何も分からない。モノクロを貫通してくる上下グレーのもさもさスウェット(違ってたらスミマセン)、ぺたんこサンダル、そして整えられていないモジャ毛。それだけではない。私も不審者側の人間なのでよく分かるが、彼は歩くのがヘタなのだ。猫背で手を伸ばしたままズンズンという擬音で彼は歩く。太ももを一切使わない、身体が前へ倒れそうになるのを無理くり前へ出した足で支える無精な歩き方である。見た目は完全にゾンビなのだが、別に彼は身体に支障があるわけではない。何なら身なりをビシッとすれば長身の美丈夫である可能性は高い。彼が何故こんな身なりになっているか、そもそも楠木ゆづの通う和仁大学の学生なのかも不明だ。最後まで読んでもソコだけは分からないのだが、折角の身長差のある竿役を開始2ページで不審者に仕立て上げたどじろー先生の妙味といえよう。
全編言葉責められ
本作は大半がエロシーンで埋まっている、実用性の高い作品だ。6ページに全裸の回想が挟まるので意外かもしれないが、冒頭の非常に少女趣味な服のまま16ページまで着衣プレイが続く。本作は基本的にヒロイン目線で進む。先に二人の馴れ初めが語られるのだが、一旦飛ばしてプレイの方を見ていこう。扉絵だけでもインパクトのあるシーンだが、この時点で楠木さんは後ろ手に手錠されて抵抗が出来ないようにされている。その上で尻を撫でたかと思うとスパンキング、そして後ろから穴をほじられる(どちらの穴かは少々判りづらい)。プレイ中あっくんは基本喋らないが、彼女はこれを他の男と仲良くしたことに対する「おしおき」と認識している。ひとしきり手でイジると、彼は吸うやつ付きのバイブを取り出し股間にあてがう。楠木さんは「イキすぎちゃうからっ♡」という理由で許しを乞う。しかし「長い髪のスキマでヌメヌメ」光っているあっくんの目を見ると彼女は抵抗を諦め、そして「おなかの奥がじゅわってあつく」なる。これでまたひとしきりアエがされイカされると、唐突にあっくんは戒めを解き、頭を撫でる。「ああ やっとおわるのかな このままねれるのかな…」と思うほど彼女はあっくんに全てをコントロールされているらしい。服を脱がされ、「ゆっくりまぶたがおりてくるあたりで」彼のチンコは勢いよく彼女を貫く。ここからはどじろー先生から読者に対する言葉責めだ。ぜひ本作を味わって欲しい。
やっちまったな!
二人の関係を改めて整理したい。時系列的には5ページから始まる。あっくんは楠木ゆづから見て「気づいたらいっしょにいて あっくんはわたしに近づく男の子を一人残らず追い払って」いた存在だった。ポイントは「気づいたら」である。彼は自らの意思で、楠木さんの意思と関係なく彼女を「守護」することにしたらしい。否、「わたしのこと好きなの?」と問うた彼女にあっくんは答える。「ゆづはバカだから僕が正しい道に導いてあげないといけないんだ。ゆづは僕に感謝するべきなんだ…」。これは「指導」なのだ。これがどじろー先生のエロ漫画で無ければヒロインドン引きである。しかし楠木さんは「わたしにはよくわかりませんでした たしかにバカなのかもしれません」と受け止めた。結局のところあっくんが奇行に走った直接的理由は分からない。しかし男ならば何となくは理解出来る。「アルファオスとしてメスを外敵から守るボスとして君臨したい」という本能的欲求と、「女子に対して見返りを求めず奉仕する紳士であれ」という騎士道精神、感情の言語化能力の低さの裏返しである「男は黙って背中で語る」というクールポコ。的美徳。それらがない交ぜになってあっくんは顕現した。我々非モテの成年男子は、どこかの段階でこの戦略が上手くいかないと気付かされ何らかの方向転換を余儀なくされる。しかし何でも黙って言うことを聞いてくれる可愛い同級生が思春期以降に居さえすれば、本来男はこうありたいのだ。そして以前も書いたように男の嫉妬深さもまた本能にビルトインされている。あっくんは楠木さんを「囲った」。言葉遣いから服装までを支配下に置き、それでもなお文句を言わない彼女を遂にあっくんは手込めにする。
コスパの良い束縛
本作の味わいとして、亜月ねね先生の話題作「みぃちゃんと山田さん」のように「足りないヒロイン」と単純に受け止めることも出来る。しかしどうもそうでは無さそうだ。事後、顛末を赤裸々に女友達に話した楠木さんは案の定「いや別れろよ!!」とツッコまれる。そしてそんなあっくんの事が好きなのかと問われた彼女は「…うーん どちらかと言うと…嫌い…?」「でもね わたしが嫌いって言うとね あっくんいっぱいいじめてくれるから…♡」と答えた。20ページ、毎度セックスのたびにあっくんが彼女に何かを聞いていると書かれている。そして彼女は「こんないじわるなあっくんなんて だいきらいっ…♡」と答えている。何と聞いたか? もちろんあっくんは「ゆづは僕のことが好きか?」と聞いているに違いない。5ページ、「わたしのこと好きなの?」彼女からのただ一度の質問に彼は答えをはぐらかした。ここで好きだと言えていたらこんなにも入り組んだ関係にはなっていなかったろう。彼女はただ一つ理解していた。「あっくん嫌い」という言葉が彼への手錠であり、守護であり、正しい道への指導なのだ。あっくんは全身全霊を懸けて普通のカップルならギブアップするような束縛をしている。彼女も正直辞めて欲しいと思っている。しかし彼女もまた「嫌い」というたった一言であっくんを執着させギチギチに束縛しているわけだ。この支配欲充足のコスパの良さが、彼女のあっくんへの嫌悪感を上回っている。ラスページ、男に対してはズカズカと踏み込む傍若無人さを持つあっくんが、女友達とのカフェテーブルには踏み込めないでいる。楠木さんは知っていた。おそらくわざとあっくんに声を掛け、汗をかいてキョドる長身彼氏を、そしてそんな彼氏を精神的に縛っている自分を女友達に見せつけたのだ。恋愛モノって、エロ漫画って難しい…、そんなオチである。前回不倫モノを魅せた剛柔描ききるどじろー先生らしい、清純派彼女とエロ漫画らしい竿役が織りなしたサービス満点かつノーマルな倒錯劇だった。




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