守りたい 未来があるのに 火の用心 [よちリョウタ] 雪明におちる花 (快楽天 2026.04)

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copyright 2025 ワニマガジン よちリョウタ

タイトル雪明におちる花
作者よちリョウタ
掲載誌快楽天 2026.04
ページ数24
ヒロイン牧口ヨウ
竿役水戸カズシ
発射数1
公式タグフェラ / おもらし / OL / 不倫・浮気 / 人妻 / 巨乳 / 恋愛 / 背徳・インモラル / 陰毛
修正白抜き修正

引き続き快楽天から、よちリョウタ先生の作品をご紹介したい。

こたつでアイス

「チグハグなんだよ」、竿役水戸カズシのモノローグから始まる。これが本作のテーマである。具体例として「こたつでアイス」「冷房と毛布」そして「真冬に花火」が挙げられている。このうち前2つはわざわざ温いモノと冷たいモノを欲しているので確かにチグハグといえる。日本は実際に暑かったり寒かったりするのでこういうチグハグな行為を奇異に感じる。しかしシンガポールやドバイといった年中暑い地域では比較的冷房が強めに掛かっており、女性は夏服に羽織り物という姿をよく見かける。同様にアイスクリームの国別消費量を見ると、3位のフィンランドを筆頭に寒冷地の国が多くランクインしている。フィンランドの国民一人当たり年間消費量は14.3L、日本は6.7Lなので倍以上である。一つにはアイスクリームの輸送保管は暑い国ほどコストが掛かるため、寒冷かつ裕福な国で消費されるという点はある。しかしそれだけでなく、一年を通してアイスを食べる文化があり、それこそ暖房の効いた家でアイスを食べているそうだ。真夏の暑いなかで食べるアイスは格別だが、冬のアイスもまた味がある。

引用: 日本アイスクリーム協会

真冬に花火

「真冬に花火」これは少し毛色が違う。花火は日が暮れてからでないと楽しめない。真夏も日が落ちると気温が下がり凌ぎやすくなるので、夕涼みのついでに花火を楽しむわけだ。花火メーカーもそのつもりで夏前から商品を並べ始める。逆に言うとそれだけの話であり、冬でも風邪を引かない程度に着込めば何の問題も無い。何なら火を焚く遊びであり、雨が少なく夜が長い冬の方が楽しめるという見方もある。雪と花火というのも実に映えるし、少なくとも火事の心配が減る。本作のように花火が手に入りさえすれば是非ともやってみたいところだ。なお手持ち花火はほぼ日本だけの文化で、海外では特定の祝祭日以外は禁止という地域も多い。

よち先生ガールズにはどこか不思議ちゃんなところが多いと感じる。本作ヒロイン牧口ヨウさんも雪景色の店で見切り品の花火だけ持ち歩いている剛の者である。水戸君との出会いがある程度仕組まれていた可能性も否定出来ないが、素直に読めば独り真冬花火大会を挙行するつもりだったらしい。同僚の水戸くんをこれ幸いにと連れて近所の公園?に向かう。雪の降る公園で雪明かりに浮かぶ白いハミパン。風流である。

蕾から散り菊へ

手持ち花火の締めといえばコレ、線香花火だ。藁の先に火薬を塗った「スボ手」と呼ばれるものが由来で、線香のように香炉に立てて鑑賞した。今の主流はこよりの先に火薬を詰めた「長手」と呼ばれるものだ。手持ち花火は勢いが大事であり、明るく、華やかで、パチパチシューーという音、湧き上がる煙もまた楽しみだ。線香花火にもそれらが全て詰まっているのだが、極めて繊細で儚い。まばゆかった世界が急にほのかに、煌めく一点を見つめる。7ページで語られている通り、各段階に名前が付いている。実は線香花火自体には演出を変える仕掛け自体は備わっておらず、同じ火薬が温度によって反応を変える。点火と共にオレンジ色の球となる「蕾」、温度が上がってきて火花が散り始める「牡丹」、さらに反応が進み多くの火花が散って繁った松のように見える「松葉」、火花の勢いが衰え垂れるように見える「柳」、消えるか消えないかのところで一つ二つと火花が落ちる「散り菊」、そして最後は球が落ちるかそのまま冷え固まって暗闇と静寂が訪れる。丈夫なスボ手に対して長手は細く風に揺られると火球部分が落ちてしまう。火を付けて動かさずにじっと垂らしていると火球の振動が伝わってくるのもまた味である。本作のように「どちらが最後まで点けたままでいられるか」というほぼ運任せでしか無い競争も、線香花火のほのかな明かりを大事にする気持ちが入るからこそだ。

雪明かりに落ちる花

牧口さんは出来心で水戸の線香花火を吹き消して勝利宣言をする。ズルである。いい大人のそんなヤンチャぶりに水戸は心を緩めてしまい、「…やっぱ好きだなーと思って」と本音がこぼれ落ちてしまった。「えー?雰囲気に流されて…的な?」「…いや部署配属された日から」「なにそれガチじゃん!言ってよー!!」陽気にはぐらかそうとする牧口さんだったが、10ページ、水戸くんは彼女の左手薬指に光るものを見ていた。二人は知っていて読者が知らなかった、水戸くんの告白の重みがズシリと伝わる。「まあ…久しく会ってない…けどね」ここで牧口さんがにじり寄った。結局最後まで詳細は明かされないが、結婚生活が上手くいってない事を伝える。線香花火が照らす二人、そして雪明かりに花が落ちる。牧口さんは水戸の線香花火を吹き消してまで勝ち取った権利を使って「うち来てよ」と伝えた。

自由に…なれる気がして

誰もいない牧口宅に入るなり二人に激しい火が付く。牧口さんが既に上を向くチンコを引きずり出す。「水戸くんのおっきいね…」「優しいんだね 水戸くんは」明らかに誰かと比較して水戸をアゲる。そこから水戸くんの即クンニ、「こんなっ♡されたことなくて…っ」「おもらし…なんて 今まで一回も…」ここもしきりにハジメテ具合を持ち上げる。極めつけは18ページ、持参していた?ゴムを装着して一線を越える覚悟を決めた水戸に対して、「自由に…なれる気がして」牧口は結婚指輪とコンドームを同時に外すという覚悟を求めた。後ろから突きながら水戸の慕情、性欲、倫理観が混濁する。その結果として、おそらく結婚後の、見知らぬ夫の姓である「牧口」ではなく「ヨウ」と名前で呼んだ。牧口も応じた。22ページ、「カズシくん 好きぃ…っ♡ そのまま中に出して…っ♡」。本作クライマックスを迎える。しかし彼は中ではなく牧口の腹に射精した。

守りたい 未来があるのに 火の用心

火の付いた花火は手持ち・打ち上げを問わず「発」と数える。射精も同じだ。本来夏にするべきだった花火。失った時間は取り戻せず見切り品となった花火を手に二人は「火遊び」を始めた。その気が無かった水戸も惚れた弱みで応じた。水戸の花火を吹き消した牧口は、逆に水戸に火を点けられる。冬の火遊びは刺激的で夏のものに比べて格段に気持ちよかった。手持ち花火は所詮子供の遊びであり、バケツという安全装置も用意して臨んでいた。しかし牧口はその先を欲した。子供の遊びでは片付けられない、人生を懸けた本当の火遊びに水戸を誘う。言うなれば「牧口」の家にガソリンをぶち撒け、水戸に火の付いた線香花火を渡したのだ。蕾が牡丹となり、松葉と燃えさかる。カズシは止まれない。ヨウが改めてゴーサインを出す。散り菊。しかし今度は水戸が線香花火を吹き消したのだった。ズルである。牧口は「…意気地なし」と呟いた。事後、水戸はこの夜のことを「真冬にした花火」と総括した。その通りだ。真冬の花火は美しい。しかし「タイミングが遅すぎた」のだ。冒頭で水戸は真冬の花火をチグハグだと称したが、これは違う。チグハグだったのは牧口に火を点けておきながら、それを望んでいながら、最後に吹き消した水戸の行為である。前回ご紹介した「から焚き」も火を点けた竿役唐木の不始末だ。熱く熱く破滅的なほど燃え盛るヒロインに着いていけずイモを引く竿役、これはある種よち先生お得意の型なのかもしれない。読者として、よちリョウタ先生の熱量に負けじと更なる業火に巻かれようではないか。

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