エロ漫画で学ぶtiktok講座 [茨芽ヒサ] 愛しのららち (COMIC BAVEL 2023.04)

本作は「テックトック(以下tiktok)で活躍したいととある公園(以下トー横)に集まる男女がインスタントHにありつける」という、大多数のエロ漫画読者にとって知識はあっても手が届かない世界を描いた物語である。異世界転生ほどファンタジーではないが、現実に存在していると思いつつも現実感の無い世界というのは一杯ある。ビジネスの世界や医療の世界、マグロ漁船、軍隊など、身内の人間にしか入れない世界がある。学園生活はほとんどの人間にとっての通過点なので二次界隈で必要以上に擦られるが、それとて全員が同じ世界を共有できたとは思えない(運動部、生徒会、そもそも女子校など)。その中で「トー横」こと、新宿歌舞伎町のTOHOシネマズ西側にある空き地(シネシティ広場)はいつでも誰でもその気になればアクセスできる空間である。歓楽街ではあるが観光客も多く日中はただの広場だ。しかし2018年頃から若年浮浪者の吹き溜まりとして様々な背景の人間が集まり、そこに付け入る犯罪や出歯亀が発生しだす。2020年からの新型コロナに伴う緊急事態宣言やらで酒食を提供する深夜営業の居酒屋が自粛を強いられ、高田馬場駅前公園などと共に悪目立ちしてしまう。コロナ禍の外出自粛のために家に居場所のなくなった少女が居場所を求めてトー横に集まり、性的な出逢いを求める男が徘徊しているという噂のために、実行力のない良識のあるエロ漫画読者諸氏も心を乱されたことだろう。

私を含め、親愛なるエロ漫画読者諸氏はtiktokなる自撮り文化に縁がないことだろう。無論tiktok自体は無料であり、手軽に可愛い女の子が拝めるということで見る専として活動されている方はおられると思う。しかしテキストベースのSNSと違って敷居の高さを感じるのは私だけでは無いだろう。「エロ漫画を通して世界を識る」というコンセプトのため、エアプながらtiktokの機能を解説させていただく。実際のユーザーの方がいらっしゃったら是非ご教示願いたい。

tiktokの強みは、それっぽい動画作成の間口の広さにある。単発や連写の画像から簡単に動画を作成できる機能や、動画を細切れに撮影したり、撮影速度を0.1倍から3倍まで選べるなど、スマホベーズて気軽に撮影開始できる。そして一番tiktokを特徴づける機能が、簡単かつ自動でBGMつきの動画を作れることだ。動画撮影時点で画面中央上部に「楽曲を選ぶ」という文言があり、多数の楽曲を検索して使用することができる。tiktok動画は15秒・60秒・3分から選ぶことができ、60秒の動画であれば、再生時間60秒以上ある楽曲を選べば自動的にBGMとして取り込んでくれる。撮影時点でその楽曲を演奏しながら撮ることも出来る。本作のような「踊ってみた」動画はこの方式が効果的と思われる。動画の撮影速度を変えると、この演奏速度も合わせて変化する(スロー撮影であれば音楽は早回しされ、実際の尺と合うようにしてくれる)という便利仕様もあるとか。動画撮影後はスタジオ機能を使うことで、画像補正やテキスト・エフェクトをスマホ操作で簡単に盛れる。とにかく撮影から編集・公開まで全てがスマホで完結する(というかスマホ以外での操作を想定していない)ところが、PCフリーなZ世代に響く優位性なのだろう。評価(ハートを押す)やコメント、フォローなどの機能はtwitterと大差ないようだ。

本作のなれそめは下記あらすじを参照いただく。ららちさん自身も家に居場所がない家出少女であり、剣斗のように家族からも心配されていないどころか暴力を振るわれるという発言まである。かたやトー横界隈では比較的先輩で顔が利くような描写もある。このルックスで人当たりがよければ放って置かれるはずもないのだが、結果なんでかは分からないが、いち動画配信者のツルギにかまってくれた上に筆下ろしまでシてくれる女神のような存在になっている。ららちさんは割とあると思うのだが大安売りの巨乳タグをなぜか貰えていない。ついでに「撮影・配信」タグも無いので後から検索される際はご注意を。本作は30ページと長編であり、後日談が標準装備されている。剣斗君は更生し、普通に社会人となったあとで彼女と再開を果たす、という実に後味の甘い作品となっている。

棘-とげ-【FANZA限定】【デジタル特装版】

1,210円

SEX中毒ッ！マジヤバ超絶ビッチ！

660円

溺愛×淫獣〜俺の前だけ、ぐちゃぐちゃに乱れて？

770円