其の名はラビ、跳ね続けるが故に [加速] 兎のひとりよがり (快楽天 2026.10)

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copyright 2026 ワニマガジン 加速

タイトル兎のひとりよがり
作者加速
掲載誌快楽天 2026.10
ページ数24
ヒロインラビ
竿役下男
発射数2
公式タグガーター / ニーハイ・ニーソ / 中出し / お姉さん / 巨乳 / 手コキ / メイド服 / 陥没乳首 / 陰毛
修正白抜き修正

引き続き快楽天から、加速先生の作品をご紹介したい。下は快楽天今月号の告知が出た時の加速先生のつぶやきである。私はこの一味が大好きなのだ。

蚕の回顧

冒頭からネタバレになってしまうが、本作には同じくメイドさんが登場する「蚕のひとつ覚え」 (WEEKLY快楽天 2025 No.21)のヒロイン・レヴァさんの名前が登場する。従って同一の世界線の話だと思われる。レヴァさんは本作の御屋敷の大旦那様の愛妾であること、身体を愛でて使って貰えていることに自らの存在意義を懸けていた。しかし本作で分かるとおり大旦那様は気ままに女をとっかえひっかえしていた。壊れたレヴァさんは大旦那の坊ちゃんにタゲを移すことで自らの存在意義を維持する。坊ちゃんがそんなレヴァの姿に、交尾の真似事をいつまでも続ける蚕のような存在だと憐憫の情を抱いたところでオチとなる。なんとも切ない話である。本作ヒロインは食卓番メイドのラビさん。竿役は拾われ子で御屋敷に務めているラビの4歳年下の名無しの男で、以下「下男」と呼称する。本作は2ページから11ページまで時系列での回想となっており、扉絵から12ページに飛ぶエロシーンとシームレスに繋がっていく。

どうか これが 同情なんかじゃありませんように

回想は大きく3段階に分かれる。最初は2・3ページ、ラビは故郷の村から海が見えたこと、その海に行くことは叶わなかったことを下男に語った。下男が虫取りしながら「そのうち行けるだろ」と言ったことに気を良くしたラビは「じゃあアンタにゃ優しくしたるか いつか私が出てっても泣かないでよ」と笑って見せた。孤児だったろう下男もラビに親近感とほのかな慕情を抱いていた。2幕目が4ページ、連れ合いを亡くした大旦那様が女狂いになり危ない事に手を染め出した事が語られる。その実行役として下男が抜擢された。うっすら事情を知るラビは止めようとしたが、下男はその言葉を軽くいなした。ここで尻まくって逃げたらラビに会えなくなる。子供らしい強がりだ。そして5ページ、夜の御屋敷。下男は海から帰ってきた。遂に死体処理に手を染めたのだ。その話を聞くラビもまたメイド姿からは想像も出来ない妖艶な姿をしていた。彼女もまた狂った大旦那のお手つきになったのだ。このくだりに関する描写は無い。「寝取られた」下男の、結果的に的を射た被害妄想を通じて読者の胸を締め付ける。ラビは下男の身体を抱き寄せ、チンコを扱いた。「どうか これが 同情なんかじゃありませんように」、下男の、読者の、そしてラビ自身の希望が詰まったセリフで回想は閉じる。

其の名はラビ、跳ね続けるが故に

本作タイトルの「兎」は、ヒロインのラビにかかっているのだろう。イソップ物語でも有名なように、草食動物で攻撃手段を持たない兎は「移動の早さ」が売りである。ここでの兎の反対は「亀」であるが、すばしっこいさまを表す「脱兎の如く」というときの兎の反対は何かご存じだろうか? この表現は孫子の兵法に記述があり、全体を書くと下のようになる。

始如處女、適人開戶、後如脫兔、適不及距

始めは処女の如くにして、敵人戸を開き、後は脱兎の如くにして敵拒(ふせ)ぐに及ばず。

実は「脱兎の如く」という表現は逃走では無くオフェンスの話であり、「はじめは処女のようにおとなしくして相手を油断させ、相手が開門したら兎のような素早さで攻め立てろ」という意味なのだ。戦訓として「おとなしい処女」という部分が使いにくかったのか、脱兎の部分だけ使われがちである。本作もここからの展開は早い。丸眼鏡をかけるほど目に悪いことをしたのかは不明だが、メイド姿のまま二人は絨毯の上でセックスを始める。下男はラビがすっかり愛妾として身を崩し自虐的に「傷をなめ合う」のが嫌いだった。ラビが「いつでも私を捨てて良いよ」と言い、下男が「嫌だ」と言う。このやり取りのことだろう。事後、下男は「海沿いの村に俺と逃げよう」と誘った。この企みが成立したかは謎のままである。下男は殺人に手を染めており、御屋敷が簡単に手放すとは思えない。一方で手練れの彼を捕まえるのも難儀だし、悪事のことは黙って静かに余生を過ごしてくれるなら好都合とも言える。そして共に逃げるにしろ、下男を突き出すにしろ、ラビにとってやる事は変わらない。はじめは処女のように欺き、後は脱兎の如くだ。なお私はラビの逃避行が成功すると思っている。「飼い慣らされ飛ぶことの無い蚕」を意味したであろうレヴァの額の印がラビには無い(常に前髪があるので100%無いとは言い切れないが)。其の名はラビ、跳ね続けるが故に。似てる部分はあるものの、層積先生にも、小野未練先生にも出せない、闇の中に点るセンサーライトのような胸の高鳴りが味わえる加速先生らしい作品だ。

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