copyright 2026 ワニマガジン 星井情
| タイトル | まひるの月 |
| 作者 | 星井情 |
| 掲載誌 | 快楽天 2026.07 |
| ページ数 | 32 |
| ヒロイン | 久方真昼 |
| 竿役 | 東先輩 |
| 発射数 | 1 |
| 公式タグ | フェラ / けもみみ / コスチューム / 学園 / 巨乳 / 後輩・部下 / 恋愛 / 童貞 / 金髪・茶髪 / 陰毛 |
| 修正 | 白抜き修正 |
引き続き快楽天から、星井情先生の作品をご紹介したい。
鰐曲ボート
本作の竿役は高校3年の東先輩。冒頭いきなりバイト先の鰐曲書店を円満退職したところから始まる。本作は2026年5月の話であり、受験に専念するためである。そこに現れたのが同じ学校の後輩、ヒロインの久方真昼さんだ。うさぎの髪留め、ポニテそして巨乳である。二人の通う学校は春に文化祭を実施するらしく、真昼さんはクラス展示である「バニー喫茶」という魅力的なワードで東先輩を誘った。本作のテーマは「思い出作り」であり、特に華のなかった学園生活を振り返っていた東先輩を見透かすかのように、真昼さんが「思い出作り」を促すという話である。なお律儀な東先輩が退職土産として置いていったお菓子が「鰐曲ボート」8枚入りだった。確認したところ元ネタの8枚入りは縦一列だった。横濱の誇る銘菓「ハーバー」である。

ス体
本作ヒロインの語尾「っス」はアニメ漫画そして実社会においても見聞きすることが多い。これは「ス体」と呼ばれて日本語研究の対象になっている分野でもある。構造としては丁寧語「ですます」のスだけが残っていると考えられる。つまり敬語の一ジャンルである。名詞の下に直接くっつくパターンと、動詞形容詞の後ろに「ん」を挟むパターン – 「走るのですか?」→「走るんですか?」→「走るんスか?」- があるのも「ですます」と変わらない。研究によると戦後間もなくのサザエさんに既にこの表現があり、体育会系や大工集団など若い男の言葉として記録されている。ス体の特徴として以下の二点がある。
・アンケート調査によると、これが敬語表現だと認識している人は少ない。
・しかし実地調査では、集団内で年上から年下にこの表現は使われない。
つまりこの表現は、フォーマルな敬意表現を必要としない小規模集団の中で親愛の証として使われる一方で、目下から目上に対する階層構造を意識した上で使われるという一見相矛盾した表現なのだ。なお先輩の発言の意味を後輩が聞き返す(=失礼に当たるかもしれない)場面においては「~でスか?」と省略していない形になるという。
この表現は元々体育会系の人間が使いだしたと言われる。集団スポーツにおいては年功と役割が独立しており、確かに上下関係と連帯意識のバランスが取れないと難しい。そしてこれが何時からか女性も使うようになった。社会人の女性同士もまた適切な距離感を探る必要があった。「年上の人間に年上と感じさせたくない」という心理があり、かといってフラットでもない。実に丁度良い便利な表現だったのだ。元々サザエさんで描かれていた表現ではあるが、これが「学園モノの愛想の良い後輩を描写する語尾」として二次界隈にて大いに使われることとなった。特に本作のような「男先輩女後輩」の構図と非常に相性が良い – 敬語では距離が遠くて特別感が無くタメ口では年齢差が醸す後輩感を上手く出せない。特に急速に距離を詰める必要があるエロ漫画において、こんなに便利なギミックはそうそう無い。私は大好物である。
宝島
エロ漫画に戻ろう。悶々とした夜を過ごした東先輩は、ウサ耳を着けて上だけオーバーサイズのジャージといういでたちで「バニー」と言い張る真昼さんにキレていた。どう見積もっても萌え袖ジャージの下で生足を出している時点で「愛情ジュース500円」でもお釣りが来る。しかも用具倉庫へ連れ込まれたにもかかわらず「吹部の演奏聞きに行く」と出ていこうとする東先輩に、たまらず真昼さんは秘密兵器を見せた – もちろんジャージの下の真性バニースーツである。際どい股下はともかく、襟をよくジャージで隠せていたと思う。11ページ、ここまで引っ張った真昼さんであったが、結局自分からノンデリクソ鈍感の東先輩への好意を言わされてしまった。自慢の長乳でエロシーンに挑む。なおこの学校の吹部は全国金賞クラスであり、22ページ、セックスと同時に鳴り響く「♪カンカンココン カンカンカコンコン」のリズムはこちらである。より臨場感を高めるため一聴をオススメしたい。
ハーフムーン
本作を見て思い出すのは、当ブログでもご紹介した「ささやくさやちゃん」 (快楽天 2023.04)だ。星井情先生ご自身も「人気作」と胸を張る快楽天デビュー作である。本作は4月号掲載。ヒロインの佐谷ちゃん(苗字)は、まもなく卒業を迎える日高生徒会長にちょっかいをかけていた。なんやかんやあって佐谷ちゃんは自ら馬乗りになるのだが、彼女は想いを伝えないままだった。「きっと会長は大学行ったら 本当は かっこいいのみんなにバレちゃって こんなことしない清楚で大人しい彼女が出来て」私のことなど忘れてしまうのだろう、そう心の中で愚痴ったあと、先輩の耳元で「すきです」と囁き、事後「冗談に決まってるじゃないですか」と心で泣く哀しいシーンでオチとなる。本作も実は東先輩は明確に好意を伝えていない。「久方さんは俺で良かったのだろうか」という自分向けの矢印と、エロいことはしたいという事しか伝えていない。事後でさえ「ヤリたい」感は出していても真昼さんへの好意は明確では無い。しかし本作は真昼さんの笑顔でオチており、丸く収まっているようにしか見えない。二作を見比べて、アプローチはあまり変わらないし、何なら佐谷さんと違って真昼さんは「なぜ東先輩が好きになったのか」の経緯の説明は無い。それでも本作はどう見ても相思相愛に見える。というよりは佐谷ちゃんだって上手くいっているのに自ら相思相愛を投げ捨てたという言い方が正しいのかもしれない。私は佐谷ちゃんの理不尽な悲恋がとても印象に残っている、今でも名作と呼べる作品だ。ただ本作を見ると片手落ちのハッピーエンドもまた良いモノだ。東先輩は受験生であり、エロいことはしたいとしてもお付き合い出来るかは微妙である。そして何より、ラスコマに映る「まひるの月」は上弦の月、ハーフムーンである。読後感に反して意外と不穏なのかもしれない。それでも真昼さんの好き好きアタックで押し切って欲しい。そう思わせる強さが星井情ガールズにはあるのだ。
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